厨房のあたりまえ

食育時代の新しい調理環境

涼しく加熱

 加熱調理の時間帯は、火源周囲の室温は急上昇。排気の力が強いので、エアコンの空気も、換気扇に吸い取られて、まさに焼け石に水。そこで、スポット空調という方法で、直接調理師さんに冷風を送ります。また局所換気の考え方で、給気と排気をコンロ周囲で完結させて、空調の空気が無駄にならないようにします。

鍋を見る

 耐火ガラスを使った嵌め殺し窓から、お鍋の中のおいしそうな料理をのぞけます。見える調理室は今や当たり前ですが、どうせなら大鍋の中を覗きたいですよね。

自分で配膳

 お部屋の床より、調理室の床を少し下げるだけで、子どもたちが、自分で配膳できる提供カウンターができますね。ダクトなどで過密状態になりがちな天井裏にも、余裕を与えることができ、一石二鳥です。

ごはんのまど

 離乳食は、提供時間がバラバラ。発達度合いによって内容も様々なので、栄養士さんが気を遣うところですよね。乳児室のお隣に調理室をもってきて、提供口をつくるととても便利。保育士さんとのコミュニケーションや、喫食チェックも容易に。

青のり吹雪を防ぐ

 給気や排気の風速が速すぎると、青のり吹雪が舞い散ります。そんなことにならないように、給気用と排気用のそれぞれの換気扇の働きを調整できる、インバーターという機器を取り付けます。また、換気扇で排気だけを行うと、ドアの隙間風がぴゅうぴゅう。排気に対して給気が足りない証拠ですね。入る側にも換気扇をつけて気圧を整えます。

銀色以外の選択肢

 ステンレス一色で、面白みのなかった調理室のインテリアも、工夫次第でこんなに楽しい雰囲気に。


厨房のあたりまえ

北の隅に追いやられ、薄暗く、じめじめしていて、誰も見えない調理室は、今は昔。様々な方法で、食育の時代に相応しい調理環境を整えます。